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小林よしのり
2015.9.17 03:22政治

夏までの成立は守れるか?


元をただせば、安倍首相が安保法案の「夏までの成立」を、

アメリカで公約してきたから、こんな事態になったのだ。

しかも法案の合憲性を、砂川判決に求めるというデタラメな

ことをやったことも失敗だった。

憲法違反があまりにも明白すぎる。

憲法改正に真正面から挑まなかったことがウルトラ級の

失敗だった。

 

アメリカに抱き付くことだけが目的の法案だから、

「戦争法案」と呼ばれるのだ。

北朝鮮や中国の脅威は、中東での戦争の後方支援よりは、

現実性が低すぎる。

ホルムズ海峡の機雷掃海も、邦人救出の米艦警護も、

国民に印象付けた例題がすべて崩壊している。

これでは馬鹿でも法案の必要性の根拠がないと思ってしまう。

 

だが安倍首相は折れるわけにはいかない。

アメリカからの信頼を失ったら、鳩山由紀夫と一緒になって

しまうからだ。

 

果たして今週中の採決が本当に出来るのだろうか?

良識の府である参議院で、あんな力づくの抵抗を野党が

できるとは思わなかった。

みっともないけど、与党もみっともない結論ありきの議論

ならぬ「疑論」を続けてきたことだし、この混乱は必然だ。

 

連休を挟んでも反対は増すし、60日ルール使ってもさらに

反対は増すし、果たして岸元首相の決断の再現ができるか

どうか?

おのれの退陣をかけて通すことができるか?

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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